ソフトバンクの宮川潤一CTOは12月19日、「8年ほどファーウェイの基地局を導入しているが、高い技術力があるだけでなく、価格も安い。ファーウェイとお付き合いしていきたいが、最終的には日本政府の方針に従うつもりだ」と語った。
ソフトバンクは国内の携帯電話事業者で唯一、ファーウェイの基地局を導入している。動画やSNSがほぼ使い放題となるプランなど、大容量で割安感のあるプランを実現できているのは、低価格で高品質なファーウェイの基地局技術が原動力になっている面もある。ソフトバンクとしては「世界的な排除の動きがすぐにでも沈静化して、今後もファーウェイを使い続けたい」というのが本音だろう。
また、12月中旬にはソフトバンクとヤフーが始めたスマホ決済サービス「PayPay」で、クレジットカードの不正利用が明らかになった。PayPayアプリで、第三者のクレジットカードを不正に複製できる仕様となっていたため、「勝手にカードを使われた」という被害が相次いだのだ。PayPayユーザーでなくても、クレジットカードを持っている人全員が、被害に遭う可能性があるため、被害件数は膨大になる恐れがある。
上場直前にこれだけ悪材料がそろえば、株価の上昇を期待するほうが無理というものだ。(ジャーナリスト・石川温)
※AERA 2019年1月28日号より抜粋