このように、私は、私たちは、みな名前を失っていきました。幽霊のようになっていったのです。

 しかし私には逃げ込める場所がありました。音楽です。私の中で「起きろよ、そして自分自身を聞くんだ」という小さな声が聞こえました。でも、音楽が私の本当の名前を呼んでくれているのが聞こえるようになるまで、長い時間がかかりました。

 BTSに入ることを決めたあとも、ハードルはたくさんありました。信じられないかもしれませんが、ほとんどの人が、私たちには見込みがないと思っていました。ときにはやめたくなることもありました。あきらめなかった私は、とてもラッキーだったと思います。

 これからも私は、私たちは、つまずいたり転んだりすることがあるはずです。

 BTSは大きなスタジアムで公演をし何百万枚ものアルバムを売るアーティストになりました。しかし私は、今でもごく普通の24歳です。もし私が何かやり遂げたことがあるとしたら、それはメンバーがそばにいてくれたから、そして世界中のファンが愛とサポートを私たちにくれたからできたことです。

 昨日、間違いをおかしてしまったかもしれません。でも、昨日の私は、私です。今日の私も、過ちや欠点を伴ったままの私です。明日は、ほんのちょっとマシになっているかもしれませんが、それも私です。これらの過ちや欠点が、私という人間であり、私の人生という星座の中の輝く星なのです。ありのままの自分を、過去の自分を、そして将来なりたいと願う自分を、好きでいることができるようになりました。

 最後にひとつお伝えしたいことがあります。アルバム「LOVE YOURSELF」をリリースし「LOVE MYSELF」キャンペーンを始めたあと、世界中のファンから素晴らしいストーリーが寄せられました。私たちのメッセージが伝わり、困難を乗り越え自分自身を好きになることができた、というストーリーです。こうしたストーリーは、いつも私たちに責任というものを思い出させてくれます。

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