そして何といってもすごいのが、チームでのパフォーマンスだ。結成翌年には、MTVの授賞式でマライア・キャリーのバックダンサーを務めたほか、アメリカの有名ダンスコンテストで2010年と11年に連続優勝。活躍の場をさらに世界へ広げるようになり、言葉の壁を飛び越える“無言”も武器に、これまで20カ国以上を訪れた。
国内でも一昨年の単独公演に2万人を動員するなど、結成10年のレジェンドながら、唯一無二のダンスチームとして、今なお右肩上がりの人気を誇っている。
そもそもは、ダンスイベントに出演するためにメンバーの1人が、別々に活動していたほかの3人のメンバーに声をかけて結成された一回きりのチームがベース。リーダーのshojiさんが振り返る。
「10年前の最初のパフォーマンスですか? 渋谷のライブハウスを会場にした、よくあるイケイケなダンスのショーケースでした。軽くて、今のステージとはけっこう違いますよね」
その後、「今まで日本になかった新しいパフォーマンスをやろう」とさまざまな挑戦を続けるうち、2回3回と単独公演を重ねていったという。
「ダンスを通して表現していくのが基本。ただし、リズムに乗って、ひたすらカッコいいというよりは、いろいろな世界観を表現したり、お笑いを表現したり。ダンスってもっともっといろんなことできるんじゃないかと常にチャレンジしながら、変化し続けてここまで来ました」(shojiさん)
そうして迎えた今回、4作目となる単独公演は北は仙台から南は福岡まで、全国7都市で上演が予定されている。彼らがテーマに選んだのは「ライブラリー(図書館)」だ。
図書館を模したステージで、4人の男たちの友情を「無言」で描く。9月に横浜の赤レンガ倉庫で開かれた公演では、ホールの中心にステージを設置し、観客が360度ステージを囲むという新たな試みも。
言葉はひと言も発していないのに、間近なステージで繰り広げられる4人のパフォーマンスに、会場中の目がハートになったり、大笑いしたり、胸アツになったり、そしてときにはステージと観客が一緒に踊ったり。インド映画じゃあるまいし。そんな会場の一体感も、これまた楽しいユニークな公演となっている。