ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
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(c)朝日新聞社
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 先週のような記事を書くと、じゃ、実際にどうすればいいんだ、危機だ危機だとあおるだけでその対策を書かないのは無責任だ、というご批判をたくさん受けます。さすがにアエラの読者はあまりおっしゃらないのですが、オンライン系のメディアでは匿名でコメントできるので、必ずそういう批判にさらされます。でもそのくらいは自分で考えましょう(笑)。

 AIはすでに、最も苦手とする読解力においてさえ、教科書がきちんと読めない多くの中高生の能力を超えてしまっている……と新井紀子先生の著書『AIvs.教科書が読めない子どもたち』はデータを突きつけたわけです。ということはAIに負けないためにどうすればいいか、ということはちょっと考えればわかるはずですね。

 それから米国は良いが、日本はもうだめなんじゃないか、という反応も結構ありました。そういう方は結構しっかり勉強されていて、日本の場合、2008年の時価総額ランキングは(1)トヨタ自動車(2)NTTドコモ(3)NTT(4)三菱UFJフィナンシャル・グループ(5)任天堂。

 一方、現在は(1)トヨタ(2)NTT(3)NTTドコモ(4)ソフトバンク(5)三菱UFJとなっており、米国と違い新メンバーはソフトバンクだけ。新陳代謝も無ければ、新しいイノベーションも生まれていないのではないか、というわけです。

 ただ、この点に関しましては、ワタクシのように実際に米国で経営している人間から見ると違和感があります。

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