
『なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則』(帝国データバンク、東京商工リサーチ協力・日経トップリーダー編)は、経営破綻した企業の現場社員や経営者らのリアルな声を取材し、まとめた一冊だ。八重洲ブックセンターの川原敏治さんは、同著の魅力を次のように寄せる。
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本書は、実際に破綻した23社を紹介し、倒産の原因を探っていきます。
倒産の原因はさまざまなので特定するのは難しいのではないかと疑問に感じましたが、<成功事例は色々な要因の積み重ねで、1つの原因に特定するのが難しいが、失敗要因は、究極的には1つの要因によることが多く、原因究明にもつながりやすい>と本書は言います。
実際に23社の事例を読み進めていくと、成功要因よりもパターン化しやすいという理由も納得できました。
倒産の原因を探るという本書の目的が置き去りになるかと思うほど、元社員、取引先、何より経営者本人の証言はリアルです。
読んだ後は、業績好調に見える「あの会社」も裏で何か起こっているのではないか、などと見る目が変わるかもしれません。
※AERA 2018年9月10日号