ドラマ「おっさんずラブ」注目を浴びる俳優の田中圭さんや林遣都さん。彼らは、なぜ女性たちの心を掴んで離さないのか? 漫画家&TVウォッチャー・カトリーヌあやこ氏は、次のように分析した。
* * *
間違いなく、空前の田中圭ブームである。田中圭のファンのことを「タナカー」と言うらしい。そのまんまかーい。いいんです、そのまんまが好きなんです……って、タナカーのうわ言が空耳できるくらい、いま田中が熱いのだ。
ドラマ「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)で、お人好しのサラリーマン・春田を演じた田中圭。男同士のピュアな恋物語を描いたこのドラマは、ラブストーリーが絶滅危機にあるテレビ界に会心の一撃を放った。
乙女心だだ漏れの部長(吉田鋼太郎)と、「巨根(自己申告)」の同僚(林遣都)から、告白される春田。と、文字にすればもうインパクトが強すぎる。
しかし、見れば見るほどせつなさが炸裂、心をわし掴みにされるような展開に、私もあなたも否応なく翻弄されていく。
楽しさ満点の健康ランドですよ〜って通された先は、まさかの激熱の底なし沼みたいな。身も心も悶絶しながら、そこにどっぷり鼻までつかって、ハッと気づくわけですよ。
田中圭の謎のいいカラダに。そして謎のいいクチビルに。幸せを絵にしたら、こんななの?てくらい、美味しそうにごはんを食べる姿に。
そして、うるうると常に涙をたたえたような林遣都の瞳。言葉よりも、多くを物語るその雄弁な瞳に。
すべてこれ「早く言ってよ」案件だ。どうして今まで教えてくれなかったのかって話だ。おいおい、自分が気づいてなかっただけじゃねーかって、いたって単純な事実でもあるけれど。
だから彼らは、校内で一番目立つわかりやすいイケメンとは、ちょっと違う。授業中、窓から校庭をボンヤリながめていたら、ふいに見つける人。または、渡り廊下の向こうで、誰かと笑っている人。
サッカーならば、攻撃で目立つFWでも、トップ下のMFでもない。