無駄に戦って敵をさらに難敵にしてしまって将来を危うくするより、敵をこちらの味方にして自分のために利用したほうが生産的である。そして相手を最高の味方にすることで、溜飲が下がるだけでなく、未来も明るくなる。
本当に自分のやりたいことにフォーカスすれば、アホにでも頭は下げられる。私も政治家時代、許せない人物に頭を下げないと事が進まないことがあった。若気の至りで何度か衝突したし、逆上して恫喝みたいなことをしたこともあった。
もちろん、そのときの結果は最悪。自分のやりたい政策は頓挫し、ポジションももらえなかった。得たのは一瞬のすっきり感だけである。そんなものは長い目で見ればどうでもいいことで、すぐに消えてなくなる。そしてアホに対してアホなことをやってしまった虚無感と悔しさだけが残った。今振り返れば「どうしてもやりたいっ!」という目的意識が薄かったのだと思う。
その後、そんな痛い目に遭って反省し、平気で頭を下げられるようになった。自分のやりたいことが本気ならば、それがはっきりしていれば、いくらでも頭は下げられるのだ。全然平気なのだ。そしてアホは、くそ生意気で自分に嫌いオーラを発しているような人間が頭を下げてくれたら嬉しいのだ。勝ち誇った気になり、それ見たことかと得意げになる。
それでいいのだ。そこでアホも人間なので脇が甘くなり、情にほだされる。頭を下げるときは、本気で誠心誠意下げないと用心深いので効き目がない。どうせ頭を下げるなら本気で徹底して下げよう。そしてアホに絶対見つからないところにいって、バカヤローと舌を出してストレスコントロールをしよう。陰口はいけない。絶対に伝わる。SNSやブログに書くのもご法度だ。これも必ずばれる。
《ベストセラー『頭に来てもアホとは戦うな!』では、厄介な他人と向き合うための具体的なコツを伝授している。4月24日には続編となる『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』が発売予定》