【上席特別参与(妹)】廣瀬佳栄さん(49、右):1995年から第一生命の営業員。2003~12年度、姉に次ぐ「全国準王座」。13年度から「全国王座」を続ける/【名誉調査役(母)】柴田和子さん(80、中央):1970年、第一生命に入社。ギネス世界記録を2度達成。「永世王座」でランキングから外れたが実際は30年連続で1位/【営業調査役(姉)】柴田知栄さん(50、左)/第一生命で国際企画部を経て1996年から営業員。「永世王座」でランキングから外れたが母の後を継いで9年連続1位(撮影/写真部・大野洋介)
【上席特別参与(妹)】廣瀬佳栄さん(49、右):1995年から第一生命の営業員。2003~12年度、姉に次ぐ「全国準王座」。13年度から「全国王座」を続ける/【名誉調査役(母)】柴田和子さん(80、中央):1970年、第一生命に入社。ギネス世界記録を2度達成。「永世王座」でランキングから外れたが実際は30年連続で1位/【営業調査役(姉)】柴田知栄さん(50、左)/第一生命で国際企画部を経て1996年から営業員。「永世王座」でランキングから外れたが母の後を継いで9年連続1位(撮影/写真部・大野洋介)

 第一生命保険の年間契約額において、母娘で合わせて連続40年に渡りトップの座を保持する保険営業員がいる。母はギネス記録を2度達成したレジェンドだ。保険営業の魅力や、ぜひチャレンジしてほしい人などを語った。

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母・柴田和子:営業員は断られるのが怖いから、見込み客を残しておきがちです。でも、どんどん会いに行って、イエス、ノーをはっきりさせたほうがいい。縁のある人は、必ずどこかにいます。

姉・柴田知栄:私は残しておきます。5年後、10年後はわかりませんから。

母:将来、お客さまになってくれるとわかっているなら、何年でも待ちます。23年越しの提案が実って、契約が決まったことも。私が15年通って、その後に長女が引き継いで8年です。

姉:あきらめなければ、いいことがあります。結局は自分次第です。

母:「この人」と思ったら、とことん追いかけないと。

姉:母は勘でわかるんです。天性のものでしょうね。私なんかは凡人ですから、結論をなかなか出さない相手のところに通い詰めて、相当空振りしました。今は経験値で判断できますが、それでも外れることがあります。

母:何年も待つのは法人の場合です。法人は経営者や担当者が代わるので、チャンスが巡ってくる可能性があるんです。でも個人は3回提案して契約いただけなかったら、ダメでしょう。

姉:営業員はお客さまにもまれながら、成長していきます。でも入ってきたばかりの人は、断られると傷ついてしまう。セールスに行くと無視されたり、邪険にされたりすることも多々あります。それを一つずつ頑張って乗り越えていくと、自分に自信が持てるようになるんです。

妹・廣瀬佳栄:子どもの頃、父は自分の父、母は自分の母と、2人の親を引き取りましてね。祖父母の具合が悪いときは、遊びに行きたいのを我慢して家にいなければいけないこともあり、ずいぶん理不尽だと思いました。でも今思い返すと、我慢を覚えたことが仕事に生きている気がします。

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