妹:いま保険はさまざまな販売チャネルが出てきていて、競争は激化する一方です。だから娘たちには「無理に受け継がなくていい」と言っています。長女は理系ですが、営業などの人と関わる仕事に就きたいと話しています。楽しそうに働いている私を見て、そう思ったようです。

姉:母がやっていなかったら、私はこの仕事に出合っていなかったでしょうね。ほかの企業に就職した学生時代の友人たちはいま、それなりのポジションにいます。でも私はセールスの道を選んでよかったと心から思っています。第一生命でトップクラスの営業員が集まると、みなさん、人間的な魅力にあふれています。お客さまとの出会いを通じて磨かれたんだと思います。これまで私は新人を採用する際、「セールスは嫌なことが7割、いいことが3割」と言ってきました。生易しい仕事ではありませんが、その3割が嫌なことを凌駕してくれる。大変なことを乗り越えた分だけ、人生が豊かになります。

母:人に安心を与え、幸せを運ぶ。やりがいがありますし、働く時間を調整できるのも営業職ならでは。チャレンジする度に、いろいろな世界で活躍する人たちと出会い、たくさんのことを学べる。そして、自分が頑張った分だけ、お給料がもらえる。名刺一枚で、これだけ人生が開ける仕事はないと思いますよ。

(構成/ライター・安瀬リカ)

AERA 2018年4月9日号より抜粋

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