東映アニメーション 企画製作本部 テレビ企画部 プロデューサー 内藤圭祐さん/「ワールドトリガー」のAPを経て「魔法つかいプリキュア!」「HUGっと!プリキュア」のプロデューサーを務める(撮影/横関一浩)
東映アニメーション 企画製作本部 テレビ企画部 プロデューサー 内藤圭祐さん/「ワールドトリガー」のAPを経て「魔法つかいプリキュア!」「HUGっと!プリキュア」のプロデューサーを務める(撮影/横関一浩)
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「HUGっと!プリキュア」の主人公のはなは、不思議な赤ちゃんを守りたい一心でプリキュアに変身。ネガティブな心を利用されて怪物になった相手を、明るく元気いっぱいに応援して浄化させる (c)ABC-A・東映アニメーション
「HUGっと!プリキュア」の主人公のはなは、不思議な赤ちゃんを守りたい一心でプリキュアに変身。ネガティブな心を利用されて怪物になった相手を、明るく元気いっぱいに応援して浄化させる (c)ABC-A・東映アニメーション

「プリキュア」シリーズが放映開始から今年で15周年を迎えた。時代に則し女の子を魅し続けることは容易なことではない。最新作「HUGっと!プリキュア」では、仕事と子育てを両立して敵と戦う設定が盛り込まれた。そこには切なる願いがあった。

【仕事と子育てを両立して敵と戦う! 新しいプリキュアのヒロインはこちら】

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 普通の女の子が妖精に出会ってプリキュアに変身し、さまざまな困難に立ち向かう、という基本のストーリーはほぼ踏襲しながら、流行(はや)りものや普遍的に女の子が好きなモチーフを取り込みつつ様々なプリキュアが生まれている。「フレッシュプリキュア!」ではダンス人気を受けて、エンディングはフルCGでプリキュアたちが踊る映像を取り入れた。「ドキドキ!プリキュア」では変身アイテムとしてスマホを取り入れ、「スマイルプリキュア!」ではおとぎの国をテーマにして女の子を惹きつけた。ここ数年は女の子が憧れる魔法使いやパティシエなどの職業といった要素も取り入れて、プリキュアは続いている。しかし、移り気な女の子が憧れるものや好みは目まぐるしく変わる。

 4代目のプロデューサー、東映アニメーションの内藤圭祐さんは話す。

「『プリキュア』の競合も増えた今、同じことをしていては飽きられます。プリキュアの世界観は守りつつ、女の子の憧れをいかに取り入れるか。メインターゲットは3~6歳の女の子ですが、3歳と6歳では好みが全然違う。3歳の子はやっぱりピンクが好きですが、少し上になると寒色系や紫が好まれるんです。去年の『キラキラ☆プリキュアアラモード』では紫のマカロンが非常に人気だった。そういうデータはしっかりと取り入れて生かしています」

 テレビ全体の視聴率が下降しているなか、プリキュアも例外ではない。しかし人気の波はありつつも、3歳から5歳の女の子の「好きなキャラクターランキング」は初めて1位になった年から17年まで13年間1位を守り続けている。

 幼い女の子が通る道として定着しているからこそ、気をつけていることがある。

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