埋設不要の室内設置型核シェルター。戸建てでも、マンションでも設置可能(撮影/福光恵)
埋設不要の室内設置型核シェルター。戸建てでも、マンションでも設置可能(撮影/福光恵)
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大きめなカプセルホテルのような内部。壁に設置されたエアコンの室内機のような箱の中に、フィルター装置が収納されている。高さ、広さ、内部のインテリアなどはオーダーできる(撮影/福光恵)
大きめなカプセルホテルのような内部。壁に設置されたエアコンの室内機のような箱の中に、フィルター装置が収納されている。高さ、広さ、内部のインテリアなどはオーダーできる(撮影/福光恵)
収納されていたフィルターをセットしたところ。外気をフィルターで安全な空気に変えてから室内に取り込む仕組み(撮影/福光恵)
収納されていたフィルターをセットしたところ。外気をフィルターで安全な空気に変えてから室内に取り込む仕組み(撮影/福光恵)

 国土交通省が2013年におこなった「特殊地下壕実態調査」によると、今なお残る防空壕は全国で8千カ所以上。崩落などの危険が高い防空壕も多く、埋め戻しなどが進められているという。ところがだ。防空壕要らずの平和な時代が続くこと70年あまり。シェルターと呼ばれるようになった現代の防空壕が、再び注目を集めている。

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「昨年4月以降、北朝鮮がミサイル発射実験をするたびに問い合わせが激増。それまで年に数件だった問い合わせが、月に80件に上ったこともありました」

 12年から核シェルターを販売する、ワールドネットインターナショナル(東京都港区)営業部の前田慧さんはそう話す。

 昨年4月以降といえば、ワイドショー好きの近所のおばちゃんたちまでも「ロフテッド軌道が……」などという専門用語を口にし始めた時期。北朝鮮の度重なるミサイル実験や9月の核実験などにリアルな脅威を感じ、シェルターで備えようとする人が増えたのだろう。

 幸い、先週あたりからは南北融和が進んで危機は去ったようにも思えるが、せっかくなので、今後、何かのときに役に立つかもしれない、核シェルターお買い物ガイドをやってみたい。

 同社で販売している核シェルターは大きく分けて4種類。まず、シェルターと聞いて真っ先にイメージする防空壕タイプの埋め込み式シェルターだ。敷地などに合わせて本体をフルオーダー。国産の本体にイスラエル製のフィルター装置を組み合わせた安心、信頼の一品という。

 ただし、費用は2千万円以上。また、本体を埋める広大な敷地も必要に。例えば昨年8月のミサイル発射では、Jアラートの警報が鳴ってから、北朝鮮のミサイルが日本上空を通過するまでわずか4分。シェルターもすぐに移動できなければ、宝の持ち腐れになる可能性が大きい。だいたい都市部でそんな広大な庭を持つ家なんて、あるか?

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