俳優の吉田鋼太郎さんがAERAの表紙に登場。50代にして「売れっ子」となった今の思いなどを聞いた。
出演中の舞台「ムサシ」を象徴する竹林を背に、静かに立つ。
時には半裸で、叫び、暴れる「舞台の上の鋼太郎」を見慣れていると、りゅうとしたスーツ姿が新鮮だ。いや、ドラマなどで初めて知った人には、この「渋さ」が、吉田鋼太郎のイメージかもしれない。
シェイクスピア劇を中心に、舞台歴は約40年。演劇界ではよく知られた存在だった。戯曲を深く読み、独創的な表現を生み出す知性と、圧倒的な熱と力のこもった演技に、演出家・蜷川幸雄は厚い信頼を寄せた。続けて大きな役に起用されたことがきっかけとなり、活躍の場が広がった。
2014年、NHK連続テレビ小説「花子とアン」で演じた粗暴さの中に切ない愛が潜む「石炭王」で、人気は全国区に。裏社会の武闘派、腹黒い大物、理解ある上司、恋する中年、死神、不器用だが愛情深い父親……硬軟善悪、どんな役でも説得力のある幅広さで、映画、ドラマ、舞台を飛び回る。