グーグル翻訳の精度が向上し、今や英語論文にも活用されるレベルになっている。TOEIC700点があれば、グーグル翻訳の力で英語力の「拡張」が可能だという。ならば、その活用法を知っておきたい。
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グーグル翻訳との協働が今後欠かせないとなれば、相手の強み・弱みを知っておくのに越したことはない。どんな言葉を投げかければ、気持ち良く働いてくれるのか。どんな日本語だと、機嫌を損ねるのか。
同時通訳者でビジネス英語に詳しい関谷英里子さんに、グーグル翻訳を扱うときに気をつけたい注意点を聞いた。
「日本語に特徴的なのが、熟語と熟語を合わせて作られる表現。そのまま英語にしようと思ってもできないことが多いです」
例えば、「地球温暖化対策」「少子化対策」「貧困対策」といった言葉。生じている問題に「対策」をつければ、「その問題の解決のために講じる策」を表していることが日本語話者ならわかる。
地球温暖化対策ぐらい定番であれば「measures against global warming」とグーグル翻訳も訳してくれるが、単に「measures against 〜」を使っても伝わらない場合がある。
「例えば『空き家対策』は、そのまま英語にはなりません。『入居率を上げるための対策』のように言い換えるほうがいいでしょう」(関谷さん)
「飛び込み営業」「働き方改革」などもそれぞれ「事前のアポイントなしで客を訪ねる」「多様な働き方を認める」のように、丁寧に噛み砕いて説明してあげよう。
主語の抜けに注意する、慣用的な表現を使わない、因果関係をすっきりさせる、といった点も、グーグル翻訳とうまく付き合うのに欠かせないコツ。下記の実例を見ながら、理解してほしい。
■POINT1 主語の抜けに注意
<NG>悪天候の影響で野菜が高騰中です。
Vegetables are soaring due to bad weather.