大学時代から続く「戦力外」体験に私は自信を失い、引きこもりのようになってしまっていた。逆に言えば、全国で54.1万人(内閣府推計)、予備軍は110万人とも推定される引きこもりの中にも、私のような人々がいる可能性がある(ちなみにこの数字は15~39歳だけを対象にしたものだが、40代以上を含めると、ぐっと増えて、300万~500万人もの引きこもりがいるのではないかと推定されている)。
東京都にある発達障害者のための支援センターで自分の状態を話し、相談に乗ってもらった。知能テストだけで診断名がつくことはなく、様々な検査をして総合的な判断をするのが普通とのことだった。ただ、簡単に言えば、言語性知能が動作性知能を上回るケースを、非言語性学習障害という(しかし、この呼び方は現在あまり使われていない)。融通が利かず、環境の変化や対人関係に柔軟に対応できず、刺激に直面するとショック状態になったりし、空間認知能力や運動神経に問題があるという症状である。そして、非言語性学習障害は、アスペルガー症候群と同義ではないが、アスペルガー症候群との共通点が極めて多く見られる。