恒常的なオーバーバンキング(銀行過剰)状態だ。銀行は今回、人員や拠点を減らしてコストを下げるとともに、三井住友が農業法人に出資するなど新たな収益源の発掘に力を振り向ける。金融庁の試算によれば、地域銀行の6割で24年度、貸し出しなどの顧客向けサービスが赤字になる。あと7年あまり。現実はそれを上回る悪化で、少なくともその時期までに「事業構造を根本から転換する」(メガバンク経営幹部)と意気込む。

 日本は12年12月から景気拡大が続き、戦後2番目の長さになった。それでも多くの銀行幹部が口をそろえる。

「世間は景気がいいのに、銀行だけが苦しい」

 銀行という企業体は残るが、中身は一新され、銀行という事業の枠組みが終わるのかもしれない。(呼称はすべて当時)(編集部・江畠俊彦)

AERA 2018年1月22日号より抜粋

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