「今まで何度もいろんなチャレンジをやってきました。その経験から失敗しながらやっていくのがいいと思っています」
ただ頑張っているだけではダメ、しっかり結果を残さないといけないと強調する。
■40歳を過ぎたころから増える、ポジティブな記憶
それにしても、桜井さんの思考や行動はアグレッシブで、前向きな思考はどこから来ているのだろう。医師の和田秀樹先生が著書『70代から「いいこと」ばかり起きる人』(朝日新書)の中で、こう書いている。
「40歳を過ぎたころから、ネガティブな記憶よりポジティブな記憶が増え、その傾向は80代まで続くことがわかっています。」
また、こうもある。
「したいことは我慢せずに、どんどんやってオーケーです(中略)私は高齢者のみなさんに、よくこのようにお伝えしています。」(『70代から、「いいこと」ばかり起きる人』より抜粋)
まさに、桜井さんのことを言っているようだ。それに呼応するように桜井さんはこう話す。
「自分が食べたいもの、旨いなと思うものを食べる。ありがたいことに年を重ね、おかげさまで、ちょっとお金の余裕もできました。だから、食べたいものが食べられるようにもなりました」
さらに70代になると人が自分を見る目がすごく優しくなるとも話す。普通にやっているだけでも、「すごいね」「若々しいね」って言ってくれることを実感している。
「1年間はニューヨークにいて、ある程度は目処をつけようと思っています」
そう楽しそうに話した。桜井さんの話を聞いているだけでこちらもワクワクしてくる。
桜井さんに限らず、昨今の中高年にはアグレッシブな人が多いように感じるが、その秘密とどうすれば桜井さんのように暮らせるかを探る。
(『週刊朝日』記者・鮎川哲也)
※次号は5月6日に配信予定