

静謐で真剣。それが、亡くなったジョンヒョンに取材したアエラ記者の印象だ。いつもメンバーを気にかけているとても優しいアーティスト。それなのに、なぜ。
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取材したのは、2016年2月1日。表紙撮影のために、SHINeeのオンユ、ジョンヒョン、テミン、ミンホ、キーの5人が朝日新聞社の地下スタジオにやってきた。
撮影中は、誰かが歌い始めると、誰かが軽く踊り出すようなハッピーな雰囲気。前日まで福岡でライブがあったのに、疲れはまったくみせない。
5人そろってのインタビューでは、日本で食べたものの話で盛り上がり、収拾がつかなくなるほど。「昨日はもつ鍋を食べました」とキーが言うと、「レモン牛乳がおいしいです」とオンユも言う。「もみじまんじゅう」の話でひとしきり盛り上がると、「ひつまぶし、あれが一番です」とミンホが話す。テミンは「しまほっけもおいしかった。あと、シラス丼。あれもおいしかった」と渋いチョイス。そこにジョンヒョンが重ねた。
「僕はちょっと苦手だったかな。かつ丼が最高!」
とにかく人を笑わせようとするオンユ、日本語で流暢に話すキー、人懐こいテミン、明るいミンホに囲まれて、ジョンヒョンは静かな印象だったから、そんな風にみんなとはしゃぐ姿に、こちらの緊張もほぐれた。こちらの質問に真剣に答えようとするジョンヒョンの姿勢を感じて、いつもよりも少し緊張していた。