大学生のとき、初めて「スター・ウォーズ」を見た。映画館を出た吉田青年の胸に強く刻まれたのは「かわいくて頼りになる、あのロボットが欲しい!」という思い。以来、街でおもちゃ屋を見つけると、ついR2-D2を探してしまう。
「普通は主人公に憧れるんでしょうけど、僕はルークがR2-D2と言葉を交わしているシーンを見て『何を話しているんだろう?』と、そればっかり気になって(笑)。人間とコミュニケーションできるなんて、今でいうAIロボットの先駆けですよね」
三菱地所は、10年後の完成を目指して、東京駅前に高さ390メートルの複合ビルを建設中。でき上がれば、日本一高いビルになる。ビジネスパーソンのニーズが目まぐるしく変わる現代、10年後の人々の暮らしがどう変わり、何が必要とされているのか。街づくりに挑む想像力の原点が、ロボットに憧れ続けた青年時代に垣間見えた。(編集部・市岡ひかり)
※AERA 2017年12月25日号より抜粋