

今年初め、アフリカ大陸14カ国を含む全19カ国をめぐる旅に出たシンガー・ソングライターのナオト・インティライミ。その旅が映画「ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2」になった。日本を離れた約半年間で、彼は何を感じ、何を得たのか、話を聞いた。
* * *
──今年1月31日に旅に出ようと決めてから数日後にはアフリカ大陸のモザンビークに降り立ちました。旅に出ようと思ったきっかけを教えてください。
ナオト・インティライミ(以下ナオト):好きで追っていた音楽に、気がついたら追われていた。それを逆転させるために、旅に出ました。23歳の時に28カ国を515日間かけて旅したんだけど、その時はよく飛び込みライブをしていました。でも今回は、その国のライブを見て音楽を吸収するという、完全にインプットの旅としました。でも、不思議とマイクがまわってくるんだよね。ありがたいよね。奇跡的な出会いがありました。訪れる国だけ決めて、その他についてはどれ一つとして決めていなかったのに。
──旅慣れしています。“旅人”として大事にしていることは。
ナオト:人に絡むってことじゃないかな。現地の人が一番新しくて正確な情報を持っているし。人との触れ合い、関わり合いがなかったら、「その国を通っただけ」になってしまう。ちゃんとそこの国の人たちの“実際”を感じる。人を知るってことはその国を知るってこと。そうすると、そこの音楽も知ることになるし。それから、言葉が必要ない音楽とサッカーを携えて旅ができることはものすごいラッキー。人との距離が縮まるのが、早いよね。
──映画の中で、「思い出の渋滞が続いている」と言っていましたが、その渋滞に変化はありましたか。
ナオト:刺激や思い出の「経験渋滞」は流れているんですけど、「アイデア渋滞」が著しい。今、曲をたくさん作っていて。何十曲も形にしたいですもん。今回の旅で感じたこと、吸収したことが影響していることは間違いないですね。旅の道中、浮かんだアイデアを何百とボイスメモに記録したんですが、それもまだほとんど触れられていないです。