東大界隈で、起業家たちが集う会合が開かれている。目的は、ベンチャーを支える“生態系”をつくることだ。
「人事評価ってどうしていますか?」
「本郷でランチはどこに行きますか?」
10月初めの週末、東京・本郷にある東京大学のキャンパス内で、ある会合が開かれていた。
集まったのは、本郷周辺に拠点を置く技術系ベンチャー企業約50社の経営者や社員ら約100人。いずれも現役東大生や卒業生らがかかわる企業で、会合はその名も「本郷スタートアップご近所さん会」。スタートアップとは、日本で言うベンチャー企業のことだ。
資金調達の方法や採用、人事評価の手法といったベンチャー企業ならではの話題から、個々人の子育ての悩み、好きなマンガといったプライベートな話題まで、参加者は関心のあるテーマごとのグループに分かれ、意見を出しては付箋(ふせん)に書き出し、次々と紙に貼り付けていく。
この会合を企画した東大産学協創推進本部の馬田隆明さん(33)は、こう話す。