全国23の金融機関に加えてクレジットカード会社と手を組んだのはfreee(フリー)。クラウド、つまりネットにつないで必要な機能を呼び出して使う会計、人事労務、確定申告などのソフトを提供する。主に中小企業が使い、経理業務の時間を従来の「50分の1」に短縮。ソフトをほぼ毎日改善するのも売りだ。会計ソフトではシェア3割以上で首位に立つ。
石川県の北國銀行とは今年4月、ソフトに記録された利用者の情報に基づいて事業概況、資金繰り、経理状況を人工知能が分析する機能を共同開発した。利用者に大きな変化が起きると同行に知らせる。
将来は、これらのソフトを利用者の共通基盤にする構想を持つ。記録された全取引の情報を利用者間で共有すれば、「原材料の共同購買や共同事業の相手探しに役立つ可能性もあります」(東後澄人COO)。
つながることで新しい世界が見えてくる。(編集委員・江畠俊彦)
※AERA 2017年11月13日号
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