立教大2年の女子Aさん(20)と上智大2年の女子Bさん(19)は、日々押し寄せるLINEの通知に辟易している。現在、所属しているLINEグループは、Aさんが100、Bさんが67。LINE上の友人はそれぞれ260人、430人にのぼり、スマホには気づけば通知がたまっている。この通知がウザい。既読をつけることもあれば、通知をそのまま消すこともある。
「だいたい、全体LINEで来るのは、重要な要件じゃないですから」(Aさん)
その裏には「大事なことは、直接会って話せばいい」という思いがある。もちろん、誰彼かまわず会うわけではない。「会うのは、会う価値のある人だけ」と、線引きははっきりしている。
Bさんは、LINEは情報発信や会話に最適ではないと感じている。いま、メインで使っているSNSは、インスタグラムのストーリーだ。
「好きなファッションやアート系の写真をあげて情報発信ができ、同じ趣味の人を探せる。ストーリーは1日経ったら消えるから、リアルタイムで仲間内で盛り上がれます」(Bさん)
プライベートなツールだから、バイト先の先輩にアカウントを尋ねられると、戸惑う。
「シフトを断って遊びに出かける時に見られるのは、ちょっと不便かな(笑)」(同)
彼女にとって、SNS上のやりとりは、あくまで、リアルな人間関係の先にあるものだ。
「会う」コミュニケーションを求めて、人の集まる場に飛び込んだ人もいる。大学進学を機に札幌から上京した東洋大3年の男子(21)は、東京の学生向けシェアハウス、「チェルシーハウス」に暮らしている。ここに入居したのは、「自分の居場所をつくるため」でもある。
「大学の授業だけのコミュニティーではなく、もっと密な関わりのできる場所が欲しかった。シェアハウスには、常に誰かがいて話せるし、飲みにも自然に誘える。自分の性格もオープンになってきたと思います」
将来は観光開発に携わりたいからと、勉強したい分野で自分をさらけ出す必要性も感じていた。だから、今の環境は自分にちょうどいいという。