10月7日、松本潤が主演を務めた映画「ナラタージュ」が公開(※写真はイメージ)
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 俳優・歌手の松本潤が10月2日売り(10月9日号)のアエラの表紙に登場した。

「周りとの関係性の中でしか自分らしさって成り立たないから」

 どの現場でも、「自分がそこに立つ意味」を瞬時に把握する。次に、広い視野で全体を見渡してみる。おのずと「自分にしかできないこと」が見えてくるという。

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 10月7日、松本潤が主演を務めた映画「ナラタージュ」が公開になる。行定勲監督が10年以上、粘りに粘ってやっと完成にこぎつけた作品だ。その完成披露試写会で共演者に34歳の誕生日を祝ってもらった松本は、監督の「本当にカッコいい大人の男。正義感が強すぎるほど強い」という賛辞に、照れくさそうに笑った。

 国民的グループ・嵐のメンバーとして、歌に芝居にバラエティーにと疾走し続ける日々。毎年行われるコンサートツアーやライブでも、構成の中核を担ってきた。「ナラタージュ」の撮影は昨年の夏のこと。ちょうど9年ぶりとなる嵐のアリーナツアー「Japanism Show」の真っただ中で、ツアー会場とロケ地の富山を往復しながら「胸が締めつけられるような教え子との恋」に苦しんだ。

「どんな人にも、人生を左右する必然的な出会いがあると思う。この作品を通じて、自分自身が経験した大切な人との出会いも振り返った」

 ものづくりの現場では、常にもっと自分にできることがないかを探している。もっともっと──。そんな彼の生き方は周りの人間を魅了し、芸能界の内外に多くの仲間を持つ。表紙の撮影を担当した蜷川実花も、友人の一人だ。

「以前、お父さんの蜷川幸雄さんが演出した舞台に出演したときに、実花さんが見に来てくださったんです。その時いただいた言葉に、大きな勇気をもらった。今日の撮影では、セットに蛍光灯が使われていたけど、そのネオンっぽい雰囲気を見たら、幸雄さんを思い出しちゃいました」

 蜷川幸雄はかつて、松本が一心に努力する姿勢を「だてにアイドルじゃない」と絶賛した。「ナラタージュ」で松本は、役者としてこれまでに見せたことのないたたずまいを見せる。

「たくさんの方に長く愛される作品になればいい」

 役者としての輝きは、増すばかりだ。(ライター/まつざきみわこ)

AERA 2017年10月9日号

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