待つこと約15分。個室ブースに案内されて間もなく、人さし指の第1関節に乗るほどの地金が現れた。わずか5グラム。でも、手にしてみると「重い!」。
地金かコインか迷った末、地金5グラムを購入。支払いは現金のみで、1万円札3枚でお支払い。安くはない。だが、初体験に高揚しながら帰った。
翌日から金価格をチェック。6月某日は前日比で+31円に。同日は欧州中央銀行のドラギ総裁が金融緩和の縮小を示唆し、ユーロ買いで円安ユーロ高に。確か「株と金価格は逆相関」のはずだけど、金価格は落ちていないぞ。むしろプラスだ。
「今年1月には米ダウ平均が2万ドルを更新しましたが金価格は高止まり。一つの解釈ですが、株価が上がっても、情勢に対して不安を抱く市民の気持ちが反映し、高止まりしているのではないでしょうか」(森田さん)
地政学への興味がわいた。購入金額以上に付加価値を感じる。(編集部・小野ヒデコ)
※AERA 2017年7月17日号