田中貴金属ジュエリー銀座本店4階。記者の来店時、商談スペースは満室で閉じられ、待合椅子には年輩の夫婦など10人弱が待機していた(撮影/写真部・小原雄輝)
田中貴金属ジュエリー銀座本店4階。記者の来店時、商談スペースは満室で閉じられ、待合椅子には年輩の夫婦など10人弱が待機していた(撮影/写真部・小原雄輝)
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東京・日本橋にある東京商品取引所。5月GW明けに金価格が下落した背景には、フランス・マクロン大統領の当選などがあったとされる(撮影/写真部・小山幸佑)
東京・日本橋にある東京商品取引所。5月GW明けに金価格が下落した背景には、フランス・マクロン大統領の当選などがあったとされる(撮影/写真部・小山幸佑)

 日本海にまた北のミサイルが着弾した。覇権国家アメリカでは“CNN”にラリアットする男が大統領だ。いつの世もリスクはつきものだが、いよいよニッポンもきな臭くなってきた。そんな時代に我が家の家計を、資産をどう守るか。苦難を乗り越え今に至る、隣の中国の「不動産投資」やインドの「金投資」から知恵をいざ、学ばん。AERA 2017年7月17日号では「中国とインドのお金を守る方法」を大特集。

 2000年以降、地政学リスクが高まっている。経済情勢が不安定な中、資産防衛への関心が高まる。貴金属の購入はその突破口となるのだろうか。

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 東京・銀座の目抜き通り。平日でも賑わうその一角に“GINZA TANAKA”の文字が見えた。田中貴金属グループの田中貴金属ジュエリー銀座本店。金やプラチナを売買する人々が集まっている。

「金とプラチナの積み立ては7年程前から月3千円しています。現物購入は今回が初めて」

 そう話すのは、神奈川県在住の会社員女性(51)。プラチナの地金100グラムを約40万円で購入した。老後も考え、現物はお守りにするつもりだという。

 三重県から来店した会社員の夫婦は、夫(50代)が地金の金貨1/4オンス(約4万円)を、妻(30代)は1/10オンス(約2万円)を買った。紙幣が紙切れになる可能性もあると考え、3年ほど前から資産の分散先として現物投資を始めた。500円玉貯金や日々節約した分で地元商店街や旅先などでも買って、金庫で大事に保管している。

 注目される現物投資だが、何をいつ買えばいいのか。田中貴金属工業 貴金属リテール部長の加藤英一郎さん(49)によると、ここ10年で国内で関心が高いのは金だ。価格上昇が数日しか続かないのが最近の特徴で、トランプ大統領就任や、Brexit、マイナス金利導入などのイベントに連動し、価格も変わる。

 買い方で加藤さんが勧めるのは「平時の金」。余裕のある間に現物や積み立てで普段から買うということだ。量については、自身の収入や資産に合わせて無理なく決めるといいという。

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