テレビシリーズ開始から43年、「宇宙戦艦ヤマト」の新シリーズ、「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」に神田沙也加が出演する。
40年を超えて愛される作品のなかでも、とりわけ象徴的な存在のひとり。あるときは反物質、あるときは超能力者、そして最新作「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」では、宇宙の平和を願い続ける女神として描かれる。そんなキーキャラクター、テレサを神田沙也加が演じる。
出演が決まった時、「いつも落ち着いている事務所の社長も興奮気味に喜んだくらい」、周囲の反響は大きかった。
●人生で初めて抱いた夢
役作りには、大いに悩んだ。
「神格的なものと人間らしさのバランスをどう取っていくのか。神様の気持ちは考えてもわからないので、素直に監督にお聞きしようと決めて、現場に臨みました。監督からは、『ひと声発しただけで、他のキャラクターとは少し違う次元で生きるキャラクターだとわかるようにしてください』と言われました」
試行錯誤して、抑揚をあまりつけず、低めのレンジで淡々と演じた。引き算の芝居に徹した。
アニメーションに命を吹き込み、老若男女に感動を与える声優という仕事は、歌手や女優になるより先に、人生で一番初めに抱いた夢だった。
舞台で着実に経験を積み、活躍の場が広がっていく中で、2014年、ディズニー映画「アナと雪の女王」の日本語吹き替え版でアナ役を射止めた。快活で魅力的なアナというキャラクターと、その伸びやかな歌声は、日本中をとりこにした。以来、声優の仕事も着実に増えている。
「声優アワードでお会いした小野大輔さんが、『次は現場で会いましょう』と言ってくださったんです。『そこまで行けるよう頑張ります』と答えた約束が、この現場で果たせたのがとてもうれしい」
間違いなく次世代のホープだが、その姿勢は、ストイックかつ謙虚だ。
「心の状態は、まず声に表れるんです。精いっぱいすぎると、どこか頼りなげに聞こえてしまう。スキルアップがまだまだ必要なので、努力を怠らずにいきたい」