小・中学生の視力低下が止まらない。文部科学省の「2012年度 学校保健統計調査」によると、裸眼視力1.0未満の子供の割合は、小学生が30.7%、中学生が54.4%と、過去最悪となった。具体的に、どのような生活環境を送れば視力の低下を防ぐことができるのだろうか。

「携帯電話や携帯ゲーム機は原則禁止です。テレビやパソコンより画面も文字も小さいので、熱中すると、だんだん近づいて見るようになります。そうすると目を細める癖がついてしまって、眼球が圧迫され、伸びてしまう可能性がある。テレビなど画面が大きいものも1日1時間にするなど時間を区切るようにして、画面を長時間見続けないようにしましょう」(東京医科歯科大学・眼科学分野の大野京子准教授)

「姿勢が大事」と、話すのは田園調布眼科の石川まり子院長だ。

「小学校高学年ともなると専用の机を持つ子供も出てきます。親の目から離れて利用することも多くなるので、正しい姿勢を身につけさせることが大切です。机の前面に垂直のバリアーがあると考え、それに沿って背筋を伸ばして座る。背は椅子にもたれ、机のバリアーを越えるのはひじから先の前腕だけ、という姿勢でいるようにしましょう」

 机の置き方にもコツがあるという。たいていは壁に向かって座るように置かれることが多く、これでは目を休めるために遠くを見ることができない。窓のある壁だとしても、夜になってカーテンを閉めてしまえば意味がない。

「机はなるべく、空間に向かって座るように置く。イメージとしては『社長室』のような置き方が理想です」(石川院長)

週刊朝日 2013年8月2日号