――どうやって気持ちを立て直したのですか。いつも支えられている歌や言葉は。
子どもたちや親御さんたちからの手紙に何よりも支えられました。子どもが初めてできるようになったこと、子どもを怒っちゃったけど番組を見てまた一緒に笑えて、なんかこれでいいんだって思えたこと。いろんなお手紙や描いてくれた絵を見ると、どんなつらいことがあっても、自分たちがやっていることはちゃんとテレビの向こうの人にも届いているんだなと感じて、また頑張ろうと思える。
1年目、2年目は自分たちのことで必死でしたが、客席の景色がだんだん見えるようになったのが3年目。これも震災があって、意識が少しずつ変わったころです。コンサートで目にするような、子どもと親が一緒に歌ったり、楽しんでくれたりしている景色は、当たり前のようで当たり前じゃないんだなと思いました。そこで、いま自分にできることがどんどんクリアになっていきました。
――今後の目標は。
9年間、子どもの歌を歌っていたことが何よりも幸せで、それは自分の生き方になりました。番組から離れても、一生子どもの歌を届ける存在でありたい。