どこかのグループに属することに憧れてはいたんですけど、だいたいいつもちょっとはみ出してしまう。そんな中、伊丹さんのいろんな顔を知ることによって、本当に好きなら、おもしろいと思ったことなら何をやってもいいんだ、って思うようになりましたし、本当に憧れのような、受賞のときのコメントでも書きましたけど、遠くに、ずうっと灯台のように伊丹さんが、サーチライトのように灯りを照らしてくださっているんですけど、どうやってもそこには行けないようにできていて。大きな海が、僕の島と、伊丹さんの島には流れていて、それを追いかけようとした時期もあったんですけど、だんだんと、その伊丹さんの活動を見ていて、そうじゃなくて、自分の場所を作れ、君は君の場所を作れ、とそう言われているような感覚がありました。

 そして20代後半から、どこかに属するというよりも、とにかく好きなことをやろう、自分のやりたい、一人前になりたい、そういう気持ちでどの仕事もやっていたら、こんなに素晴らしい賞をいただくことができました。伊丹さんにはそれが君の場所だよって言われているような気がして、すごくうれしかったです。

 伊丹さんの作品を見て思うのは、人生、僕が物心がつくころ、伊丹さんが生でしゃべっている記憶は、テレビでもあんまり見た記憶がなくて、大人になってからいろんなドキュメンタリーや番組などでしゃべっているのを拝見したり、エッセイの文を読んだりすることぐらいしか、どんな人か知ることができなかったんですけど、伊丹さんの印象は本当に、なんだろ、すごく自由な人だなという印象です。自分の好きなものとか、おもしろいと思うことを、本当に素直に追い求めてる、突き詰めて、それをみんなに紹介したり実践することによって周りの人がすごく楽しくなったり、日本という場所が、見ている人たちが、みんながこころを踊らせられたり、楽しいなと思ったり、気持ちがちょっと変わったりする、それってすごいことだなと思います。

暮らしとモノ班 for promotion
窓拭きロボ、油なしのオーブン、脱臭ハンガー…家事に革命を起こす"時短家電”
次のページ