ニュースサイトBLOGOSに掲載された社会学者・西田亮介さんとの対談には、こんなくだりがある。「日本の精神性が世界をリードしていかないと『地球が終わる』って、本当に信じているんです」。写真はプレミアムフライデーのイベントに登場した昭恵さん(2月24日、東京都中央区) (c)朝日新聞社
ニュースサイトBLOGOSに掲載された社会学者・西田亮介さんとの対談には、こんなくだりがある。「日本の精神性が世界をリードしていかないと『地球が終わる』って、本当に信じているんです」。写真はプレミアムフライデーのイベントに登場した昭恵さん(2月24日、東京都中央区) (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 左かと思えば右、行動理念はスピリチュアル──。奔放すぎる言動に、永田町も世間も震撼している。アッキーこと安倍昭恵とは何者なのか。

「なんでこんなに私は注目を集めてしまっているんだろうって、すごく戸惑っているんです」

 3月7日、東京都文京区で行われたイベントに出席した彼女は、こう語った。

 安倍昭恵さんといえば、首相夫人でありながら、沖縄を訪れ、防潮堤に異を唱え、反安倍の人とも記念撮影する、「家庭内野党」ではなかったか。その彼女がなぜ、右派的思想の学校法人の名誉職を受けたのか。

 辻元清美衆院議員は言う。

「彼女の一連の言動は、パーソナリティーの問題であるという見方と、戦略的なものという見方があります。私自身、後者ではないかと考えていましたが、今回その認識を深めました。首相夫人が園児に教育勅語を素読させる学校法人の名誉校長であったことは、『日本は軍国主義に回帰している』と海外でスキャンダラスに報じられ、明らかに国益を損なっています」

 首相夫人が公人か私人かについて、官邸は「私人である」との見解を崩していない。

 首相夫人には非常駐の職員1人がつき、首相外遊への同伴などを補佐してきた。だが、昭恵さんには、常駐2人、非常駐3人、計5人の職員がついていた。

「いつ、誰が決めたのか。5人もの国家公務員をスタッフにつけながら、私人であるという理屈は通用しません」(辻元議員)

●名刺には事務所と自宅

 AERAでは、これまでに複数回、昭恵さんのインタビューを掲載してきた。彼女の名刺に肩書はなく、「安倍昭恵」とだけ記されている。連絡先は、安倍晋三事務所と自宅だ。

 日本マナー・プロトコール協会理事であり、外務省の儀典官室で数多くの国賓・公賓の接遇をしてきた寺西千代子さんは、こうしたスタイル自体は、「時代に即している」と語る。

「公人の配偶者であれ、一個の独立した人間として活動するケースが増えています」

次のページ