ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 当初「経営危機」と言われた東芝ですが、私はあれは「粉飾決算」以外のなにものでもないと早くから指摘してきました。結果はご覧のとおりです。粉飾に関する細かい話は置いておきまして、今回はこういう企業の再生の話。私の専門分野でもあります。

 日本では再生といっても、いままでのマネジメントが居座るケースがほとんどです。東芝新社長の綱川智さんも生粋の東芝育ち。2014年には常務になっていて、少なくとも今回の事件と無縁ではあり得ない。「戦犯」が新たに経営にあたると言って、株主や社員はそれを信じる気持ちになれるのでしょうか。

 いままでのマネジメントが無能だったからうまくいかなくなったわけで、マネジメント全体を一新することが先決だとどうして考えないのでしょう? いやいや、いろいろ過去の経緯や、それまでの蓄積を踏まえた人がやらないとうまくいかないんだ……とおっしゃるかもしれませんが、そういうことにこだわってきたからこうなったわけです。

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