その根拠のひとつが、太陽系外惑星の発見だ。
「実は、生命が存在するかもしれないと期待されている太陽系外惑星は近年続々と見つかってきているのです」
と前出の平松さんは説明する。95年に太陽系外惑星が初めて発見され、NASAが太陽系外惑星観測専用の宇宙望遠鏡「ケプラー」を09年に打ち上げたのを契機に他の観測チームからも発見が相次ぎ、これまでに約3500の太陽系外惑星が見つかった。
太陽系外でも生命が存在する可能性がさらに広がったのだ。
アルマ望遠鏡が今、目指しているのが、生まれたての星から、生命の起源となる物質を見つけること。まずは、タンパク質の元となるアミノ酸の探索を目指している。
まだアミノ酸は見つかっていないものの手がかりは出ている。12年、デンマークの研究グループが、アルマ望遠鏡を使い、地球から400光年離れた場所にある生まれたばかりの原始星の周囲を観測し、アミノ酸の元となる有機物である「グリコールアルデヒド」を見つけだすことに成功したのだ。
地球外生命体の発見までは道が長そうだが、海外では「今から一世代の間に地球外生命体が見つかる」という見方もある。(編集部・長倉克枝)
※AERA 2017年1月30日号