ここで間違いたくないのは、「最近の若者は車に乗らない」という思い込みをすること。逆です。「最近の自動車メーカーは若者が乗りたいような車を作っていない」と見なければなりません。

 それを生産者が気づいているのかどうか。こんなにいい車を作っているのに売れないのは買い手(若者)が悪い、と言っていても仕方ないですよ、という話なんですね。

 これまではある程度マーケットを予測して、これは売れるな、と思えば設備投資をして、広告宣伝を大量に打って、満を持して市場に送り込むことができました。しかし、現在は消費者の需要は多様化し、いざ市場に出した時には需要そのものが消えている可能性さえあるということです。

 これはある意味、経済システムが根本的に大企業を否定していることでもあって、奴隷のようなサラリーマンから、一人の人間として独立してビジネスをする大きなチャンスが来ているとも言えるのです。(ぐっちーさん)

AERA 2016年12月12日号

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