──魔法動物を手放すとき、ニュートは涙しましたね。
魔法動物を思いやってね。あのときは、友だちや家族、自分の子どもに対する感情を思い出していました。
●目を背けるのは簡単
インタビューしたのは、映画の舞台でもあるニューヨーク。大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ氏に対する反感が渦巻く投開票日の前日だった。映画のテーマは「魔法使いと人間世界の融和」だが、現実世界は分断していた。
──クライマックスで、ニュートと魔法使いは一致団結、「巨悪」に立ち向かいますね。
J・K・ローリングは常に政治的な意見を持っている人ですが、彼女はそれをとてもうまくストーリーの中に盛り込んでいる。素晴らしいと思います。何か正体が知れないものに相対するとき、怖い、善くないものだ、などと目を背けるのは簡単ですが、それが何なのかを理解するためには、手を携えて協力することも必要だ──。これが、彼女のメッセージだと思います。
──日本映画のお気に入りは。
日本映画に詳しいわけではありませんが、「君の名は。」はぜひ見たい。今年は3週間、妻子と日本を旅しました。息をのむほど素晴らしい風景に遭遇して、日本への理解が深まりました。
(ジャーナリスト・津山恵子)
※AERA 2016年12月5日号
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