ひとくせある女性のモノマネで知られる、清水ミチコさん。最旬のネタは何と言っても「小池百合子」という。どの辺が魅力なんですか? 清水ミチコさんに聞いた。
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8月2日。日本初の女性都知事が誕生。同時に、日本初の都知事を真似する、女性モノマネタレントが誕生したわけです。「(小池都知事の声色で)それが、清水ミチコさん。わたくしも心から、応援申し上げます」
この人をやりたいな、と思ったのは、選挙が始まったころ。テレビでお見かけする機会も増えて、「あ、いい声だな」と。でも、選挙中の候補者のモノマネは公職選挙法で一切ダメなんですよ。解禁を待ちわびながら練習して、8月4日、ラジオ番組で初お披露目。だからずいぶん上達してました(笑)。
もともと私、年上のかっこいい女性が好きなんです。黒柳徹子さんとか、楠田枝里子さん、桃井かおりさん……。みなさん、パワーも知性もあって、インパクトも強い。その分、冷やかし甲斐があるというか。政治家では、田中真紀子さんとか、土井たか子さんとかね。
政治家って、ネタにしてもめったに怒られないんですよ。芸能人だと、ファンが怒ってるとか本人が嫌がってるとか、すぐに聞こえてくるんですけどね。政治家は昔から、新聞や雑誌の風刺漫画に描かれたり、もともと揶揄されがちな存在なんでしょうね。
そんなわけで、無事、都知事に当選なさった小池さんですけど、就任直後から大忙しです。いきなりリオ五輪の閉会式の大舞台はあったし、豊洲の市場移転問題に、東京五輪の開催地問題。テレビで彼女を見ない日はない。おかげさまで、こちらもやりやすいです。次は何してくれるだろう、何を言うかなってワクワクしながら見ています。
●コツは「ゆっくり着地」
上手に百合子さんになるコツは、とにかく最後まではっきりと、語尾に向かうほどゆっくり、着地させるようにしゃべること。
インタビューやスピーチを見て感心したのが、なんて滑らかに話す人なんだろうってこと。言葉に詰まるということがないし、受け答えが柔らかい。「厚化粧」だの「裏切り者」だの責められて、内面は怒ってても、スマイルでニッコリ。これに尽きると思いますね。
考えようによっちゃ、すごく怖い人なのかもしれません。穏やかに見えて、絶対に負けない。そういう気持ちでモノマネしてます(笑)。今、ツアー中のライブでも、小池さんがスピーチするっていうネタがあるんですが、タイトルは「最後に笑うのは私」。