彼女、対決の場に臨んでも、ほとんど自分から攻めてはいかないんです。静かに自信をたたえている感じ。言葉数も決して少なくないのに、なぜだかうるさい感じがしない。そこが蓮舫さんや辻元清美さんと違うところですね。ぎゃんぎゃん、まくし立てないけれど、目の奥は冷静という怖さ。今までにはないタイプな気がします。

 でもそれって、日本女性の特徴なのかもしれないな、とも思う。笑顔の向こうにあるのは、「甘く見てもらっちゃ、困るんですよ」っていう、無言の圧力。うわー、やっぱり怖いからモノマネすると面白いですよね。

●会場で“百合子コール”

 今回のツアーでもライブ会場の客席から「百合子! 百合子!」ってコールが起きる。みんな、そんなに小池ファンだったの?って(笑)。都知事選のとき、誰に投票した?って聞いてみたいですけどね(笑)。

 しかし、そこも含めて、今の小池百合子のすごさだと思います。気がつけば、みんなファンになってる。都民どころか全国の人が応援してますよね。

 昔のモノマネ芸人は、美空ひばりさん一人できれば、一生食べていける、って言われていたらしいです。が、今は常に新しいキャラクターを発掘していかないと、という時代。その点、小池さんは新たな注目株。この1年は、いや、2020年まで、あと4年は、わたくし、小池さんで食べていきます!

(ライター・浅野裕見子)

AERA  2016年11月14日号

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?