海外でプログラミングと英語を集中的に学ぶ「エンジニア留学」が広がっている。就職を控えた学生や、転職を決めた社会人1、2年生、あるいは起業を目指す若者たちの参加が目立つという。
留学先となっているインドやフィリピンの三つの学校に話を聞くと、参加者は20代が多いが、10代後半や30代前半もいる。プログラミング未経験者や、「情報技術なしでは今後の社会で生き残れない」という危機感を抱く人が目立つ。IT企業に入り直したいと、入社したての会社を辞めてきた新社会人もいたほどだ。
ウェブやスマホのアプリ開発などをしっかり学ぼうとすれば、数カ月は必要だ。留学先や滞在期間、選択するコースで異なるものの、旅費や生活費、授業料などを含む費用は100万~200万円ほどに上ることもあるという。少人数コースで教える学校が多いのが高額の理由だろうか。それでも定数を大幅に超える申し込みがある学校もある。
インド・ニューデリー郊外で昨年9月からエンジニア留学の受け入れを始めた語学学校MISAOには、1年で80人近くがやってきた。大学生6割、社会人4割で、開発経験のあるインド人講師がすべて英語で講義している。
フィリピンのセブ島ではNexSeedが2013年11月にエンジニア留学を開始。これまでに200人が「卒業」した。同島にはウェブサイトの企画制作会社カグラ(東京都)運営のACT HOUSE CEBUもある。6カ月コースを終えるとウェブアプリの開発ができるようになる人も珍しくないという。(編集部・山本大輔)
■日本からの「エンジニア留学」を受け入れている学校は…
<MISAO(インド)>
首都ニューデリー近郊のグルガオンにある。語学留学、インターン留学、IT留学を受け入れている。問い合わせはメール(support@misao.asia)で。資料請求、留学相談は公式サイトから
<NexSeed(フィリピン・セブ島)>
英語はフィリピン人講師、プログラミングは日本人講師が担当。問い合わせや資料請求、留学相談などは公式サイトから
<ACT HOUSE CEBU(フィリピン・セブ島)>
講師と留学生がシェアハウスに滞在。IT、英語、ビジネスの三つのスキルを学ぶ。問い合わせは公式サイトから
※いずれも日本人が現地で経営
※AERA 2016年10月31日号