プログラミングがブームだということはわかった。未来を生きる子どもたちの「必修科目」であることも。究めたら、どんな働き方が待っているのか。
もし、自分の子どもが「プログラミングを学びたい」と言い出したら──。
ある人は、Facebook(フェイスブック)の創業者マーク・ザッカーバーグのような姿を思い描き、夢のある華々しい仕事だと思うかもしれない。またある人は、パソコンに向かってひたすらコードを書く「プログラマ」を想像し、低賃金で長時間労働を強いられる「きつい仕事」を思い浮かべるかもしれない。
実際にプログラミングを身につけた人たちは何と呼ばれ、どんな仕事をしているのか。
人材サービス会社インテリジェンスで長く転職サービス「DODA」を担当し、IT人材の転職を支援してきた上杉真由さんを訪ねた。
●開発の一部は海外に
上杉さんによると、ザッカーバーグからひたすらコードを書き続ける人まで、イメージされる幅広い仕事を包含する呼び方は「ITエンジニア」。
DODAが調査した「平均年収ランキング2015」では、こうしたITエンジニアの平均年収は489万円。職種別ランキングでは3位だった=左ページの表参照。そして、表に登場するエンジニアを働く場所でみると、次の四つに分類できる。
一つ目は、システムインテグレーター(SIer)と呼ばれる会社で働く人々。クライアントのニーズに応じてシステムを作り、それを納品する。NTTデータや富士通、日本ユニシスといった企業で働くエンジニアたちだ。
二つ目は、自社でサービス・製品を抱えるLINE、ヤフーなどの企業で開発や運用に携わる人々。サービス・製品は、BtoCの場合もあれば、BtoBの場合もある。表の「研究開発」「サーバーエンジニア」「SE・プログラマ」「ネットワークエンジニア」「テクニカルサポート」の人たちは、主にこういった二つのタイプの職場で働いている。
三つ目は、コンサルティングファームで働くITコンサルタントと呼ばれる人々。SIerよりもさらに上流の工程で、戦略や企画の立案などを行う。
そして四つ目は、事業会社の社内SEと呼ばれる人々。その会社のシステムの企画・導入から運用までを行う。
年収体系は、
「IT技術の進歩や世の中のニーズにともなって、徐々に上がってきています。なかには1千万円、2千万円という年収を得るエンジニアも珍しくはありません」
と上杉さん。労働環境についても、リモートワークを導入したり残業を削減したりして、「働きやすさ」をアピールする企業も増加している。業界全体として「きつい長時間労働」からは脱却しつつあるのだという。
ただし、と上杉さんは付け加える。