コマツ建機販売「客に寄り添う太い腕」コマツ建機販売 東京カンパニー 千葉支店営業課長 惣田一朗(44)撮影/写真部・東川哲也
コマツ建機販売
「客に寄り添う太い腕」

コマツ建機販売 東京カンパニー 千葉支店
営業課長 惣田一朗(44)
撮影/写真部・東川哲也
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 アエラにて好評連載中の「ニッポンの課長」。

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 現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。

 あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。

 今回はコマツ建機販売の「ニッポンの課長」を紹介する。

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■コマツ建機販売 東京カンパニー 千葉支店 営業課長 惣田一朗(44)

 油圧ショベル、ホイールローダー、ブルドーザー、値段も数百万円から数千万円まで惣田一朗が扱う商品は「大物」ばかり。主な顧客である建設業界は縁起を担ぐことが多いので、大安の日には続々と納品される。

 4人の部下を束ねながら、自らも車を走らせ、建設会社や工務店を一日10社ほど回り道路工事、宅地の造成、解体など、顧客の目的に合う機械を売り込む。景気に大きく左右される業界だけに、新品の売り上げに鈍りを感じれば、中古やメンテナンスサービスに力を入れるなど、臨機応変さも必要だ。

 国学院大学経済学部卒業後、1997年に入社。営業一筋でキャリアを積んだ。会社が目標に掲げる「数字」は課長として当然、意識しているが、「お客様は数字ではない」。顧客企業のトップを直接訪問するケースも多く、時には厳しい言葉を受けることもある。人と人との仕事に正解はないと日々、実感しているのだ。

 「会社のブランドに甘んじず、個人名でご指名していただけるお客様を増やすことが営業マンの財産、と後輩に伝えています」

 そのためには、客の依頼には迅速、かつ的確に対応することが大切。機種によっては生産に時間をもらうこともあるが、

「『お急ぎでしたら納期の早いこちらの機械はいかがですか』『この機械は、今ご検討いただけましたら忙しい時期に間に合います』などと、数カ月、時には年単位でお客様の事業予定を予測し、具体的にご提案するように心がけています」

 現在は単身赴任中。毎週末、車で2時間ほどかけ、妻と小学6年生の娘、小学2年生の息子の待つ自宅に帰る。かつてラガーマンだったが、息子とサッカーを楽しんでも、「今は。足が思うように動かなくて」と苦笑い。

 東京五輪に向けて、建設業界は忙しい日々が続く。大きく強い「腕」の鳴りどころだ。

(文中敬称略)

※本稿登場課長の所属や年齢は掲載時のものです

(ライター・安楽由紀子)

AERA 2016年4月4日号