糸井重里さん(67)が「ほぼ日」を始めたのは49歳。森川亮(あきら)さん(49)は48歳でLINE社長を電撃退任し、「CChannel」を創業した。同時期に大きな変化があった2人は、今回初対面。50歳の仕事や幸せについて語り合った。
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糸井:僕が「ほぼ日」を始めたきっかけは、インターネットに出合ってびっくりしたというのがあったんです。びっくりして避けるのか、「何それ」って誰かに質問するのか。僕は後者を選んだんですが、森川さんはインターネットは専門で、去年、新しいことを始められて……。
森川:全く新しいというより、13年前にLINEの前身の会社に入った頃に戻ったような、懐かしい感覚です。タワーマンションから手作りの家に戻って庭の掃除してる、みたいな。
糸井:なるほど。50歳というのは意識しました?
森川:いえ、特には。ただ最近、自分が見えてきたというか、いいところも悪いところもわかってきて開き直りました。嫌いなことはもうやらない。なるべく好きな人とだけやろうと。
糸井:結構嫌いなことをやってきたんですね。
森川:やっぱり大企業が長かったので。日本テレビに11年、ソニーに3年、LINEに12年。LINEも最初は30人くらいでしたが、最後は3千人になって。秘書が2~3人、運転手もいて、だんだん窮屈になった。辞めて随分、健康診断の数値が良くなりました(笑)。
糸井:森川さんが今やろうとしていることは今までの中では一番、不定形ですよね?
森川:どうせやるなら、難易度の高いものをハチャメチャにやって、変えてやろうと思って。そしたら、敵が増えましたけど。
糸井:へえ。どういう方面が敵なんですか。