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 ストロボを使わないで演奏中のミュージシャンを撮るのは、観客に対するモラル以前に、そのステージのライティングによる雰囲気を壊さないための「撮影手法」だと信じていた。ところが、海外のステージでは居並ぶカメラマン達が割と平気で本番中でもフラッシュを使ってしまうのに驚いたことがある。

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 1980年撮影の1枚はストロボを発光していますが、ちゃーんとパットの許しを得てリハーサル中に撮ったものである。ステージの赤いバックライトがパットのロン毛を透かして燃え上がるように見えたのを、どうしても撮りたかったからである。良い子は決して真似をしてはいけません。

 横縞シャツにジーンズ&スニーカーと言うのがパットのトレードマーク。初めて会ったのはもうずいぶん昔になる。長きにわたって何度となくステージフォトを撮らせていただいたけれど、こうして並べてみても、そのスタイルは70年代とさほど変わっていないのがおかしい。

 ジャズ系はフランクでフレンドリー、ロック系は何故か必要以上にガードが固く取っ付きにくいと言う印象を持っていたぼくは、パットを後者ロック系だと決めつけていた。パット自身もその音楽性もまだよく知らない頃の事だ。だがしかし、「フュージョン系」かと安易に聞き流していたパットの音楽が、実はジャズの濃いエッセンスのかたまりだと気付くのにそう時間はかからなかった。

 笑顔が実にフォトジェニックな「ジャズ・ギタリスト」パット・メセニーのニュー・トリオによる新作が発表されて話題だけれど、日本公演の予定は……? ストロボ使わないから、また撮らせてください。

パット・メセニー:Pat Metheny (g) (allmusic.comへリンクします)
/1954年8月12日-