まず、中国人が好むゲーム内容が日本と全く違う。
「日本ではストーリー性が強いロールプレイングや武器などを増やすコレクション要素の高いゲームが支持されますが、中国はとにかく『自分が一番』と誇示できる競争スタイルのゲームが人気です。演出も派手めが好き」(山田さん)
また、「なぜ、中国では海賊版が多いのか?」という素朴な疑問も、現地社員との雑談の中で解決した。「正規版がなかったからですよ」と、当たり前すぎる答えが返ってきて、「目からウロコだった」(山田さん)。
中国大手インターネット会社テンセントゲームスと共同開発した「NARUTO―ナルト―」の「火影忍者 ONLINE」は、配信1年足らずで会員数2千万人を突破。続いて正式配信が予定されているスマホ向け「火影忍者 MOBILE」の開発も順調だ。この手ごたえに、山田さんは早くも確信している。
「中国の方の多くは“本物志向”なんです。ただ、規制などの理由で手に入らなかっただけ。きちんとした本物を作れば、商機はもっとある」
※AERA 2015年10月5日号より抜粋