早食い、徹夜、座りっぱなし…。現代人の生活習慣は肥満につながることだらけ。どんな行動が太りやすさにつながるのか? どんな肥満だと生活習慣病リスクが高いのか?
早食いは太る──。そう、うすうす感じている人は多いだろう。それはなぜか? 東京工業大学大学院人間行動システム専攻の林直亨(なおゆき)教授らのグループが行った研究で、食べるスピードと食後のエネルギー消費の関係が明らかにされた。食後のエネルギー消費とは、食べた後に栄養素を燃焼しエネルギー利用すること。つまり、食後のエネルギー消費量が多いほど、太りにくいというわけだ。
研究では食べるスピードを変えて、食後90分間のエネルギー消費量を調べた。急いで食べた場合は、体重1キロ当たり平均7カロリーに対し、ゆっくりよくかんで食べた場合は、その約26倍の180カロリーだった。
単位は“キロカロリー”ではなく“カロリー”なので、1日ではその差は小さい。しかし、体重60キロの人が1日3回の食事を1年間繰り返すと、差は約1万1千キロカロリーになり、脂肪に換算すると1.5キロ。つまり、早食いの人はゆっくり食べるだけで、年間1.5キロやせられるというわけだ。