ビズリーチオフィスの気配を感じながらも、おこもり感がある個室。こちらは靴を脱いで上がるフラットシート。通常の机と椅子がある個室もある(撮影/高井正彦)
ビズリーチ
オフィスの気配を感じながらも、おこもり感がある個室。こちらは靴を脱いで上がるフラットシート。通常の机と椅子がある個室もある(撮影/高井正彦)
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 オフィス環境で、制度で、社員教育で。さまざまな方法を駆使して、モチベーションアップに取り組む企業がある。

 ドアの小窓にネームカードを差し込めば、外への視界はいっさい遮断される。部屋では靴を脱ぎ、スカートでも気にせず足が崩せる。誰からの視線もなく、仕事に没頭できる空間。漫画喫茶のような個室が4室、このオフィスフロアにある。

 社員のやる気をどう出させるか。多くの職場に共通する課題だ。それに対して、転職サイトなどを運営するビズリーチでは「場所」と「時間」の2側面から仕組みを作っている。

 同社には、エンジニア、デザイナーなどクリエーティブ職が多い。スキマ時間で片づけることができない、モノを生み出す仕事に、どうやる気をもって取り組んでもらうか。オフィスのデザインや制度設計を統括するCTOの竹内真さん(36)が言う。

「やる気の先にある、『やった感』を重視しています。今日一日で、何かを生み出した、という感覚。その達成感が明日のやる気につながります」

 個室のほかにも原則会話禁止の「クワイエットルーム」がある。照明が暗めに設定され、ノイズキャンセル機能のあるヘッドホンを使うこともできる。

「集中しているときって、感覚が一点にフォーカスして、視覚も狭まるし、周囲の物音も聞こえにくくなりますよね。擬似的にそういう環境を作れば、人は集中する、という考え方で作った部屋です」(竹内さん)

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