今回の衆院選を経ても、当分、自民党の天下が続きそうな国会。野党が勢いを取り戻し、安倍政権に「待った」をかける日はいつ訪れるのか(撮影/伊ケ崎忍)
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今回の衆院選を経ても、当分、自民党の天下が続きそうな国会。野党が勢いを取り戻し、安倍政権に「待った」をかける日はいつ訪れるのか(撮影/伊ケ崎忍)
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 今回の選挙で際立った、与党の対抗軸となるべき野党の頼りなさ。目を覆うばかりの惨状に、周囲からは厳しい指摘も。

 そもそも野党のスローガンがはっきりしない。東京都内のPR会社で働くベテラン広告マンは、民主党のスローガンを「まるでなっていない。商品が売れない広告の典型」と、一刀両断。そして、こう指摘する。

「民主党の『今こそ、流れを変える時。』は受け身の言葉。自民党への批判というだけで、民主党が何をしたいのかが伝わってきません。自民党の『景気回復、この道しかない。』には、自分たちはこうしたい、信じてください、と有権者に突きつける主体性がある。メッセージ力で民主党を上回っています」

 保守論客の東洋学園大学の櫻田淳教授は、今回の選挙における野党の「弱さ」を、次のように分析する。

「政策上の『魅力』の乏しさよりも、政治上の『手腕』の乏しさです。社会の公正や寛容の価値を体現するリベラル勢力の意義は大事ですが、外交・安全保障分野で自民党内閣の方針とまず対立するという姿勢は、やめにすべきです。今のままでは『リベラル=非現実的』という印象が消えない。この先、野党に展望が開けるとすれば、自公連立の枠内に頼み込んで入れてもらうしかありません」

AERA 2014年12月22日号より抜粋