忙しい人ほど、健康管理は重要な課題になってくる。超人的な仕事をこなしつつ、健康を維持している人に、その秘訣を聞いた。
「健康管理」ではなく「元気管理」と呼ぶのは、佐々木かをりさん(55)だ。
肩書は多数に及ぶ。働く女性を応援するマーケティング・コンサルティング会社イー・ウーマンの社長のほか、翻訳に関する会社も経営、複数の企業の社外取締役や政府の審議会委員も務め、メディア出演や講演もこなす。それだけの仕事をしながら2人の子どもも育てる。“超人的”な生活だ。
「病気をしていたりケガをしていたりしても気持ちが元気な人もいるし、3食食べて運動していても元気じゃない人もいる。自分の中からエネルギーが出てくる状態を作ることが大切だと思ってるんです」
日常生活でいつも身体に意識を向けている。食事、睡眠などはその「基礎の基礎」。例えば、寝るときは大の字になって手を広げ、疲れが出ていくことをイメージ。必ず毎日湯船につかり、手足のマッサージも欠かさない。チェックポイントをたくさん作ることで、自分の身体の変化に気づきやすいようにもしている。
食に関しては「自宅」では入念にチェック。主食と調味料にこだわり、発芽玄米や全粒粉のパンにしたり。豚肉なら何の餌を食べて育ったのかまで調べて、健康な食材を選ぶ。
だが、ある程度の「ユルさ」も身につけた。20代のころは神経を使いすぎて、他の人との会食でも食材を気にしていた。今は、選べない時はみんなと一緒に食を楽しむことのほうを優先し、デリバリーのピザも食べる。
食事以外にも、洋服選びから、モノの考え方、行動の仕方まで、さまざまな元気の秘訣がある。前向きな思考のために欠かせないのが、手帳「アクションプランナー」だ。佐々木さんの時間管理術の“武器”は、元気管理にも直結している。
「時間管理を多くの人はスケジュール管理と勘違いしてると思うんです。他人とのアポイントメントのスケジュールを管理すること以上に、自分の時間を管理することが、充実し生き生きした生活を送るために大事なんです」
※AERA 2014年9月29日号より抜粋