
就労支援事業を行う国の「サポステ事業」に、利用者から不満の声が寄せられている。一体何が行われているのか。
20代前半の女性Aさんの卒業時はリーマン・ショック後の就職氷河期だったが、新卒で衛生関連企業に入社。しかし、そこは「ブラック企業」だった。セクハラやパワハラを受け、緊張して言葉を発することができなくなり、3カ月ほどで退職した。
次の仕事をどうにかしなければと思ったAさんは、新卒や既卒3年以内の人を対象にした「新卒応援ハローワーク」をたずねた。しかし、窓口の相談員は「何で3カ月で辞めたの?」「業界分析、足りないよねぇ」。一般のハローワークでも同じような対応を受け、次第に職業安定所へ行くことが怖くなった。
そんなときネットで見つけたのが、厚生労働省の支援事業である「地域若者サポートステーション」(愛称・サポステ)だ。
厚労省のホームページによると、働くことに悩みを抱えている15~39歳までの若者を対象に、キャリアコンサルタントなどによる専門的な相談、コミュニケーション訓練などによるステップアップ、協力企業への職場体験など、就労に向けた支援を行う。
そんな国の事業なら信頼できるだろうと、Aさんは昨年7月、近くのサポステへ相談に行ってみた。すると、受託団体の担当者から、「幼稚園時代、友人はどのくらいいましたか?」「いじめはありましたか?」といった成育歴や、精神科の通院歴などを詳細にたずねられた。