4月からいよいよ、企業の新卒選考活動が始まる。面接官は学生のどこをどう見ているのか。気を付けなければならないのは、面接中だけではないようだ。

 面接終了後も絶対に気を抜かないことが大事だ。ダイエーとファンケルで計35年間人事に携わった経験をもつ、ファンケルファームの江上克彦社長が人事に携わっていたとき、知り合いの社員から報告をもらったことがあったという。

「多分うちを受験していた就活生らしき格好をした女性が、会社の近所の喫茶店でふんぞり返って電話をしていて、『やってらんねー』とか話しているけど、大丈夫?」

 詳しく話を聞くと、ついさっき面接をしたばかりの学生だった。江上さんは、その学生の採用を見送ったという。

 江上さんは、採用で迷ったときは、受付の担当者に意見を聞くようにしていたという。ある男子学生が受付まで親と一緒に来ていたことがわかるなど、いろいろな情報があり、とても参考になったという。企業アンケートの「がっかりしたエピソード」でも、「待合室や受付での態度と面接中の応対が違いすぎる」という声がとても多かった。

「社屋の100メートル前から面接は始まっていると心得てください。近所の喫茶店や受付などでの態度は案外見られているもの。もちろん、終了後もしばらくは気を抜かないようにしましょう」(江上社長)

AERA 2014年4月7日号より抜粋