銀行は、販売窓口として理財商品を個人の投資家に売る。こうした信託会社の理財商品の場合、一口100万元で富裕層に売られる。山西聯盛へ投資する理財商品の予定利率は、年利9%以上。規制で3%程度に抑えられる銀行の定期預金に比べて断然高いため、当然人気を集めたのだが、投資家に2月、不吉な知らせが届いた。山西聯盛が経営難に陥り、理財商品への元利払いが止まったというのだ。
まず注目されたのは、中堅の吉林省信託が2年前に販売した約10億元分の理財商品。その後、同じような商品が、計50億元(約850億円)分に達することが明らかになった。
実は呂梁市からの“凶報”は2カ月連続だった。市内の石炭会社「山西振富」が1月、事実上破綻し、これに投資していた理財商品30億元分の元利払いができなくなる恐れがあった。大手の中誠信託が組成し、中国最大の国有銀行である中国工商銀行が販売した商品で、信用力は抜群のはずなのに債務不履行(デフォルト)の危機に陥った。
来るべきものが来たか──。影の銀行への懸念を抱いていた国際社会は今、中国経済のバブル崩壊を予感する。
※AERA 2014年3月10日号より抜粋