栄養補助に便利なサプリメント。しかし飲み合わせによっては、思わぬ結果を招くこともある。
30代の女性が、サプリメント外来がある「マイシティクリニック」(東京・新宿)を訪れた。膀胱炎の症状で悩んでいた。院長の平澤精一さんはニューキノロン系の抗菌薬を処方した。
1週間後、女性が再び来院。薬をきちんと飲んでいるのに、よくならないと、女性は訴えた。本来は数日で効果が出てくる薬だ。平澤さんは、初診時に日頃飲んでいる薬がないことを確認していたが、改めて質問した。
「するとサプリメントを飲んでいることが分かり、その中にカルシウムが含まれていました。ニューキノロン系の抗菌薬は、カルシウムイオンと結合すると溶けにくくなり、吸収が悪くなって薬の効果が表れにくくなります。女性にサプリメントの摂取をやめてもらうと、膀胱炎の症状は治まりました」(平澤さん)
平澤さん自身も、サプリメントを日常的に活用している。